3月20日(日)

 15:30発で歩いてグレートホステスへ。足取りがいつになく重い。
 今日は話しかけるのか?それともまたいつもみたいに何も出来ずに終わるのか?自分自身に問いかけながら、長い道のりを歩く。
 でもその前に、先週の沙夜ちゃんの様子がいつもと違ったことを思い出すと、今日はいないかもしれないという予感もある。今日いなかったらかなりピンチだ。
 グレートホステスに到着し、恐る恐る自転車置き場を見てみる。
 …自転車がない。
 この晴天に歩いて来るということは考えづらい。今の時点では沙夜ちゃんは働いていないことが濃厚。
 正面に回り、店の外から店内を見てみる。久しぶりに若木由美子さん。かなりお痩せになった様子。それとテンション下がる能崎先生に似た人。あと見覚えのない店員さんがいた。
 時刻は16:00。これから出勤してくることも充分に考えられるので、しばらく店の外で待つことにした。
 ワシが立っている場所は店の中からモロに見える場所。とてもいづらい。食事中のお客に見られ、店長に見られ、気まずい。もちろんそんなことを言っている場合ではないので、気にせずにひたすら待つ。
 左後方から茶髪の女の子が歩いてくる。グレートホステスの店員で、このストーリーにたびたび登場するいつものさんである。いつもいるからいつものさん。
 去年の3月14日分で「食べ物を運びながら嫉妬っぽい目でにらむものあり」と書いたが、それはこのいつものさんのことである。実は彼女もワシのことを見ているのだ。1年以上も前から。
 ワシの目の前を通るいつものさん、ワシの存在に気付き、ハッとこちらを見る。ワシと目が合うとすぐにそらす。ワシの前を通り過ぎ、背後に回したところで振り返ってまたワシを見る。そして店に入るとき、扉を開けながらもう1回ワシを見る。
 すごい、かなり見ている。何週間か前も、ワシが席に座っているときにバイトから上がり、私服姿でワシの前を通ったときもかなり見ていた。視線の数では沙夜ちゃんを上回っているのかもしれない。
 こうなってしまうと、ますますこの位置にいづらい。「何で入ってこないの?」ってことになるでしょう。そんな状況になったところで今日はあきらめた。
 まずい、まずすぎる。「先週が最後なのか」とか考えてたら本当に今日いなかった。心の奥底ではいると思っていたんだけど。
 しかしだ。今日は亀島さんもいなかった。いつもとは違うメンバーでかなりの人数を張っていた。なので今日はたまたまバイトに入れなかっただけかもしれない。
 明日も休日。また明日来よう。明日はいるかもしれない。そんな期待をしながらグレートホステスをあとにした。

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