11月27日(日)
午後から1時間チョイの仕事が入り、それが終わって昼飯を食べてだいぶ遅い時間になってしまった。
今日は日曜日、沙夜ちゃんは働いているだろうか。こんな遅い時間だからもう上がってしまっているか。これから行っても沙夜ちゃんに会える確率はきわめて低い。
でも今はその極めて低い確率にさえもかけようという気になるくらい、沙夜ちゃんに対する気持ちは上がっている。だから結果は考えず、そのまま直行だ。
夕方近くに到着。普通に考えても沙夜ちゃんはいない時間だ。でも一応いないことを確かめてから帰ろう。
駐輪場を見てみる。いつもの右端のスペースになにやら青い自転車のハンドルが見えた。
沙夜ちゃんいるじゃないですか〜!最近のシフトの傾向からすると珍しい。
でも時間が時間だけに、またこの前みたいに入店してすぐに上がりって事になるかも。それは覚悟しておこう。
入り口に向かって歩く。入る直前に店内を見ると、キッチンの出入り口から身を乗り出して外のワシを見る沙夜ちゃんが見えた。
よっしゃ見てくれた!
そして沙夜ちゃん、スタスタとレジのほうへ歩いてきた。よし、案内してもらうぞー。
緊張しながら入る。しかしレジのところに沙夜ちゃんはいない。レジを通り過ぎて喫煙席の客のところへご用事。
なんだ、案内しに来てくれたんじゃないのか。
代わりに見知らぬ人に案内してもらって窓際の4人がけの席に着いた。
メニューを見ていると、レジに沙夜ちゃんが来てワシのほうをちょっと驚いたような様子でじっと見ていた。
なんだ、いま気がついたのか。さっき身を乗り出して見てくれたと思ったのは違ったのか。
見知らぬ人に注文を頼む。ポテトとドリンクバーの軽食。
ドリンクバーを注ぎに行き、席に戻る。メニューが置きっぱなし。数に限りがあるんだからちゃんと下げてくれ。
ドリンクバーへ2杯目を注ぎに行く。沙夜ちゃんが付近を忙しそうに歩いておられるので、鉢合わせにならないように気をつけて行った。
カップにお湯を注いでいると、ワシの真後ろを沙夜ちゃんが通った。
ただそれだけ。
沙夜ちゃんと見知らぬ人がレジでお話ししている。
この席からはほんの少し距離があるのと、二人が小声で話していることもあり、言っていることは聞き取ることはできない。
その中で、沙夜ちゃんが「最初のころは…」と言ったのが聞こえた。その後の言葉は全く聞き取れず。 最初のころ…。最初のころのワシの話をしてくれているんであればいいなぁ。
見知らぬ人はチラチラとワシを見ながら話しているようにも見える。見ようによってはワシのことを話しているようにも見える。
しかし今回に限ってはそう見えるだけであって、ワシのことを話しているのではないだろうと思える。だいたいワシの視野に入ってワシの話などするわけないし。
沙夜ちゃんが店長と雑談。
いつもながら楽しそうに話しているが、この店長はホントいやらしさがないから、安心して見ていられる。
前任はいやらしさムンムンで、見てて放っておけなかった。今の店長は大丈夫。
沙夜ちゃんの姿が30分以上見えなくなる。休憩に入ったらしい。
休憩が終わって再び表に出てきてお仕事。そしてまたすぐに控え室に入っていった。
ワシは規定の1時間半ぴったりいようとしたが、夕食の時間帯になり、お客さんがどんどん増えてきた。
一人で4人がけの席に座っているから、もうどいたほうがいいだろう。1時間半がたつ5分前で席を空けることにした。
いつものようにテーブルであらかじめ支払うお金を財布から出しておく。
その最中にふと顔を上げると、私服の沙夜ちゃんが店から出て行くのが見えた。ワシとほぼ同じ時間に上がりですな。
店長にレジをやってもらう。ポイントカードとお釣を受け取る。
店長「ありがとうございました、またお待ちしてます」
「またお越しください」ではなかった。もう来るのが当たり前。
店を出ようと外を見ると、そのときちょうど沙夜ちゃんが自転車で店の敷地から出たところだった。
ワシは外に出て、沙夜ちゃんが帰っていく後ろ姿を見ていた。
意外とのんびりした走りで自転車をこいでいる。ほんとにのんびり。
そしてワシのことなど振り返ることなく遠方へと消えて行った。
沙夜ちゃんにとって、ワシってなんだろう…。
今日は時間的にいないと思っていたが、まさかまさかでいて、しかもワシの入店から最後までフルでいてくれた。
そういう面での運気は今日は良かった。ただそれだけだ。