11月12日(土)
風が強いがさわやかな冬晴れ。そんな中歩いてグレートホステスへ向かった。
最近は自分の生活リズムが変わったこともあり、以前よりもかなり早い時間に行っている。
お店が見えてきて、遠くから店内を見てみると、店長が見え、そして素敵な若木さんも見えた。沙夜ちゃんはいるかな?
駐輪場を見てみる。なぎ倒されている数々の自転車。沙夜ちゃんの自転車は右端で倒されずに置いてあった。
店内を見たが、ものすごく混雑している。順番待ちの人はいないものの、いい席が全て埋まっており、このままだといちばんブの悪い仕切りのある席になってしまいそうだ。
いい席が空くまで外で待機しようとしたが、沙夜ちゃんがいるのに外で待機とはおかしい。とりあえず中に入った。
客もたくさん、ウエイトレスさんもたくさん。まれに見るにぎやかさだ。
そんなんだからワシの入店に気付く人がいない。しばらくその場で立ちつくし。
喫煙ゾーンから歩いてきた店長がワシに気付く。何も聞かずに禁煙席へ通してくれた。
店長が歩いてきた後ろには若木さん。やった、見てくれた。
ドリンクバーを見ると、沙夜ちゃんがジュースの補充をしていた。
ますます髪の色が明るくなっている沙夜ちゃんの後ろ姿。沙夜ちゃんは振り返らず黙々とジュースの補充。
そして案内された席は、やはり仕切りのある席。座ったワシの左手に高い高い仕切りがはばかった。
本来は隣の客との仕切りなのだが、これは沙夜ちゃんとワシの仕切りになってしまっている。
沙夜ちゃんはドリンクバーで補充を続けているが、仕切りのスモークの向こうだから濁って見えずらい〜。
見知らぬ人が注文を取りに来た。
面白いことに、注文を取る時に操作する手持ちの機械を取り出そうとしない。ワシがいつものように簡単な注文をすることがわかっているということか。
そのとおりいつものように簡単な注文をする。見知らぬ人は頭で覚えてそのままメニューをさげた。
君はアマンドの店員か。
沙夜ちゃんはなおもドリンクバーで補充作業を続けている。長いこといてくれていいのだが、この席からだと見えない〜。
ワシはドリンクバーを注文したのだが、沙夜ちゃんが作業中なのでちょっと行きづらい。でもしばらくかかりそうなので、ティーパックと受け皿だけ取りに行った。
ドリンクバーに行き、沙夜ちゃんの横に着く。皿とティーパックを取る。
沙夜ちゃん無反応。
そして沙夜ちゃんがキッチンに下がって、ドリンクバーが空いたのでカップにお湯を注ぎに行った。
お湯を注いでいると、キッチンからウエイトレスさんがここに来ようとしたのが見えた。しかしワシが注いでいる途中なのを見て、来るのをやめて出入り口のところで待機。
沙夜ちゃんを待たせてしまっているかも。それよりも沙夜ちゃん、別に待つなんてことしなくても、ワシの隣に来て作業してくれてもいいのに。
席に戻り、ドリンクバーのほうを見た。さっきのウエイトレスさんは沙夜ちゃんではなかった。なんだ。
ここから沙夜ちゃんがパッタリ姿を見せなくなる。
裏方で作業をしているのか、仕切りが邪魔で見えないだけなのか、どっちだかわからない。何度も仕切りの向こうをうかがうために背を伸ばした。
そのまま1時間近くが経過。
もしかしたら、知らないうちに帰ってしまったかも。
仕切りがあるから注意してみないと店を出る人に気がつかないことがある。だから気がつかないうちに出て行ってしまった可能性もある。
メガネをかけて遠方のキッチンを見た。中に一人だけウエイトレスさんと違う色の服が見えた。
薄い赤色で、最初はガソリンを入れるポリタンクが置いてあるのかと思った。しかし動いたのでだれかなのだろう。
なんとそれは私服に着替えた沙夜ちゃんだった。沙夜ちゃんとポリタンクを間違えてしまった。
薄い赤のカーディガン、黒のパンツ。いつものミニスカ姿と違ってかなり大人びていた。
お店を出た沙夜ちゃん。ワシは窓の外の沙夜ちゃんを目で追ったが、沙夜ちゃんは店内を見ることなく通り過ぎた。沙夜ちゃんの耳にはピアスがキラリ。
そして自転車に乗って街のほうへと走っていった。
ところで沙夜ちゃん、今日ワシの存在に気がついていたのだろうか…?
ワシも出ようと時間を見る。なんとまあ、ワシがいままでこの店に入店してきた平均時刻の10分前である。
そりゃ、ここに来ても沙夜ちゃんいないわな。最近は早々に上がってしまうわけだから。
ワシも少し時刻を早めたいが、昼時にくるといい席が空いておらず、今日みたいに一人で座るのにうってつけの仕切りの席になってしまう。さてどうしよう。
沙夜ちゃん、今日はワシがいたことに気付いていたのかどうか心配したが、気付いていないのならそれはそれでいいだろう。気付いていないからあまり表では仕事をしなかったというふうに考えればいいのだ。
気付いているのにああだと、凹む。
レジを済ませ外に出ると、懐かしい空気のにおいがした。
まだ手紙を渡そうとする前、話しかけられなくてどうしようとか、いいことないなと思いながら歩いたときの空気のにおいだった。
今後ワシが店に来る時間はどうするか。ちょっと悩みどころができたと考えながら、夕焼けのキレイな景色の中、歩いて帰った。