夜に考えたこと

 ゴールデンウィークもあと1日。今年は去年と違い、沙夜ちゃんとたくさん会えた。しかも全て好感触と言っていいだろう。
 だが、相変わらず声をかけることもできず、進展いまだになし。あんなにいい感じだったのに、もったいない。もうそろそろ何かしなくてはならない。
 でも、声をかける自信はない。いくら心に決めても、いざそのときになると声が出ない。もうそれを1年近く続けている。「次こそは…」という自分の決意はもう信用できない。
 でも本当に何かしないとこのまま終わってしまう。動かなければいけない時期に来た。でも声はかけられない。
 …よし、手紙を渡そう。
 もうこれしかない。この方法を推す声もちらほら聞こえてたし、悪い方法ではないだろう。
 ちょっとしたメッセージと連絡先を書いて渡す。そして沙夜ちゃんからの連絡を待つ。これで行こう。
 問題なのが、まず手紙を渡すことができるかどうか。明日逃がしたらまた1週間イライラしながら待たなくてはいけない。何が何でも明日渡そう。
 そして、渡せたとしても沙夜ちゃんから連絡が来るかどうか。来なかったらその後グレホに行きづらいな…。
 しかし、連絡が来ない=見込みなしと考えれば、もう行く必要もなくなるだろう。
 来週はそんなことを考えながらの1週間になるのか。長くなりそうだ。
 その前に、まだ一言も会話をしたことないのに手紙を渡していいもんだろうか。少し話せる中になった上で渡したほうがいいような気もする。でも声かけられないしな…。
 いやしかし、ワシらは1年3ヵ月も見つめ合ってきたのだ。手紙くらい渡してもいいはずだ。アカの他人ではないのだ。
 見ず知らずの客にメールアドレスを書いた紙を渡されて、それにメールしちゃう店員さんもいるらしいし(某ファーストフード店の店員)。もちろんそんな軽い人であってほしくないが。
 というわけで、ワシは1枚の紙に沙夜ちゃんへのメッセージと、連絡先を書いた。それを三つ折にして手帳にはさんだ。明日渡すぞ…。
 そして沙夜ちゃんから連絡が来るのか、来ないのか、全く予想できない。
 不安だ。普段は自信ありげなことを言っているが、やっぱりこういう行動を起こすとなると心配になる。急に自信がなくなる。
 ダメ元というつもりでやったほうがいいかもな。何もしないで終わるよりはマシだ。
 よし、明日!決着をつけるぞ!!

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