9月12日(日)

 バンドの練習を終えて、スタジオの最寄り駅から電車でグレートホステスへ。駐輪場を通る。うお〜、沙夜ちゃんの自転車が置いてある。いるわけですな。緊張気味にお店へ向かう。
 外から店内を見てみると、中から一人のウエイトレスさんがワシをもろに見てる。いつものさんだ。席への案内もいつものさんだった。
 タバコを吸うか吸わないかの話をしてるときに、その横を沙夜ちゃんが通った!髪型をまた肩くらいの長さにして結わかないタイプに戻しておられる。かわいいね。
 席に向かうワシを、レジから沙夜ちゃんが見ているのが横目で確認できた。楽器をキャリーカーでひいてる姿が異様だったかな。同時にバンドマンであることも知らせることが出来ただろう。
 沙夜ちゃんに注文とってもらいたいなー。かといって「すいません」と沙夜ちゃんを呼べるわけでもないし。だれか来るまで黙って待とう。
 そこに来たのはいつものさん。今日も沙夜ちゃんに話しかけられず!
 沙夜ちゃんはワシ周辺の客全ての注文を取っていた。なぜワシのところにだけ来てくれないの?てか、最近ワシに対して「いらっしゃいませ」がない。いらっしゃるな、ということか?
 いろいろなことを考えつつ、バレンシアシーフードサラダを食べていた。食べ終わった後も、何をするでもなくボーっと座っていた。
 空いた皿をさげに来てくれないかな。沙夜ちゃんが近くに来るたびに緊張が走ったが、結局さげに来てはくれず。
 そのとき、前方でワシに背を向けて座っている女性客がこちらを振り返って見ている。何かなと思ったら、あれは羊さんじゃないか?中国系の彼と一緒なところを見ると間違いないと思う。あの背の高さにしてもそうだし。でも顔を正面から見るとちょっと違うような気もする。でも髪形が変わっていたから違うように見えたのかも。「○○のお客様」と言われた時の手の上げ方も台湾式。羊さんでしょう。今日はお客さんとして来てるのね。
 そんなことはどうでもいいとして、今日も何があったわけでもなく、店を出た。介入しないおチビちゃんのレジ。
 ワシが席にいるときはまったくこっちに来なかった沙夜ちゃんも、席を立てばそそくさと空いた皿をさげに行く。ワシがいるときに来てくれよ!
 また来週会いましょう。店を出た。
 こんなんだったにもかかわらず、ワシの中ではこの「無言の恋愛劇」は確実に進行しているような気がした。それはなぜ?自分にも分からない。このいい予感が的中していることを願ってやまない。

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