3月20日(土)

 天気は雨。車でグレートホステスへ。駐輪場には沙夜ちゃんの自転車がとまっている。しかし店内を見ても姿が見えない。しばらく車の中から店内を見ていたが、いつまでたっても出てこない。
 あの自転車は沙夜ちゃんのじゃないのか?いや、人気キャラ「マヨ次郎」のベルである。絶対沙夜ちゃんのだ。とりあえず店内へ。
 やはり沙夜ちゃんはいた。沙夜ちゃんは中華な感じのかわいい女の子である。そして、氷が大量に入ったバケツも軽々持ち上げて、氷の補充作業を手際よくやる優秀なウエイトレスさんである。
 いつもの席に座っていると、「あっ、いる…」という表情でワシを見た。
 外は雪、沙夜ちゃんも時折窓の外を眺めていた。いったい何を思っていたのだろう。
 ワシ、明日の日曜日は来られない。なのでテーブルの紙に英語でメッセージを書いておいた。 「Tomorrow I can't come. See you next week!」
 そしてタイムリミットの12:30が来た。席を立つ。レジには大丸店長。沙夜ちゃんはレジ付近からこちらのほうを見ている。あくまでも「こちらのほう」であって、ワシを見ていたわけではなかったようだ。
 レジに向かって歩くと、沙夜ちゃんはワシに向かって「ありがとうございました」と言いながらワシの席を片づけに行った。
 会計をしながら、紙に書いたメッセージを見てくれるのかどうかを横目で見ていた。すると…紙に目をとめることなくすぐに折り曲げて、厨房のゴミ箱にポイしてしまった。すぐにだったから、メッセージに気が付かなかったのだろう、ということにしてくれ。
 これといった出来事もなく、店を出る。出るときに二度目の「ありがとうございました」を言ってくれた。そして、ワシが出ると必ず窓際で作業をする。ワシにその姿を見せるために、ということにしてくれ。
 さっきまで降っていた雪も、ワシの心情を表すかのように悲しい雨に変わった。そんな中、車を運転して帰った。
 最近白髪が出てきた。沙夜ちゃんのことで悩みすぎだろう。1日のうちの70パーセントは沙夜ちゃんのことを考えているからな…。

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