12月2日(土)

 いよいよ大詰め。おそらくこうやってグレートホステスに遊びに来るのは、あと1、2回くらいだろう。

 いい天気の中、車で行った。

 店内を見てみると、土曜日ということで若木さんがいる。店長も相変わらずだ。

 店に入ると若木さんが来てくれた。

 若木さん「禁煙席でよろしいですか」

 はい、いつもどおりで。
 一人で来たのだが、4人掛けの席に通してもらった。
 普通に飯を食うべく、「ミックスグリル」を注文することに。
 注文取りは若木さん。持って来てくれたのも若木さん。

 知っている店員さんはほとんどいない。若木さんのみだ。
 ずいぶんと変わったもんだ。もうほかの店のような気がしてならない。
 当然何の出来事もなく、淡々とミックスグリルを味わった。

 何もないので、もう席を立つ。
 レジにたつと、目の前に店長と料理長の写真が貼ってあるのだが、なんと店長が代わっている。外から見たときは相変わらずに見えたのだが、共通点はメガネだけだった。
 そしてその代わった店長がレジ。
 ポイントカードの更新時期が過ぎていたので、店長に促されるままに100円払って更新。

 店を出た。

 何か、自分の拠点を一つ失ってしまったかのような寂しさに襲われた。
 終わったんだね、本当に。

ラスト・デイ

 今日はいい天気だ。こんな晴天の日はよく歩いて行ったもんだが、今ではすっかりクルマ人間になってしまい、今日もこの晴天にもかかわらずクルマでグレートホステスへ行った。

 最近ではここに来ることもめっきり減ってしまった。今日で区切りをつけようと思ったので、最後の来店。

 区切りの日を今日にした理由は。
 早いもので、沙夜ちゃんの姿を最後に見てから今日で1年がたつ。
 ちょうど1年待ち続けたところで、もう終わりにしようと思ったのだ。

 店内へ。
 今まで「見知らぬ人」と呼び続けていた店員、佐藤さんの案内。
 意外なことに、禁煙喫煙を聞かずに禁煙席に通してくれた。佐藤さんも久しぶりなんだけどね。意外な人が強く印象をもっているものだ。

 ドリンクバーだけを頼もうとしたが、まぁついでにフライドポテトもつけるか。

 持ってきた地域新聞に目を通しながら、オレンジジュースだのウーロン茶だのを飲みまくり、ポテトをつまむ。
 以前と変わらない光景だ。

 店に入ると、いつも沙夜ちゃんの声が聞こえてくるような気がしていたのだが、もうそれもなくなってしまった。完全に消えてしまった。

 もはや、懐かしいあのころなのだ。

 ある程度居座ったところで、店を出ることに。
 店長にレジをやってもらった。
 沙夜ちゃんのことを知らない店長、まいったなぁ…。

 沙夜ちゃんがいた2年間、いなくなってしまった1年間、計3年間も通ったこのお店とも、ひとまずお別れ。
 とはいっても、近いからまたプラッと寄るような気もするが。
 とりあえず、通うのは今日で終わり。区切りをつけないとキリがない。

 じゃ、今までありがとう。

 お礼の言葉もそこそこに、思い出の場所を後にした。



 長きに渡る恋の物語は、予想どおりの「不動敗北」で終わった。
 手紙を渡そうとすることしかできなかった、有効なアプローチができるチャンスをことごとく逃した…。とにかく、やるべきことをできずして終わってしまった。

 出会いは突然やってきた。

 たまたま選んだファミレスにいた、天使のような店員。一目見ただけで「うおぉ〜、カワイイ!!」なんて思うことなど滅多にないのだが、その滅多に起こらない気持ちを沙夜ちゃんは起こさせてくれたのだ。
 そして、沙夜ちゃんもワシを見るし…。

 この結果を見ると、沙夜ちゃんがワシのことを見ていたのかどうかというところには疑問が起こるところだろう。
 ワシはいまだに確信し続けているが、そんなことを考えるのはもうやめておこう。

 しかし、ここに来て大きく疑問に思ったことがある。

 沙夜ちゃんはワシに手紙を差し出されて、それを受け取らなかったわけだが。
 キッチンのほうへ戻って行く沙夜ちゃんは、泣いていた。
 たとえば、手紙を渡されて「気持ち悪く思う」のであれば、ワシのことを気持ち悪がっていたということになる。
 手紙を渡されて「怒る」のであれば、ワシは嫌われていたということになる。
 手紙を渡されて「なんとも思わない」のであれば、ワシのことは全く気になる存在ではなかったということになる。

 しかし、上記のどれでもない。
 沙夜ちゃんは、手紙を渡されて「傷ついた」のである。
 これって、一体どういう心理なのだろう。
 アプローチをかけられて、なぜ傷つくのだろうか。
 気持ち悪いと思ったり不愉快になるという心理ならば理解できる。しかし切なくなるというのは…。
 本人はもう目の前にいないため、真相は闇の中である。

 臆病なワシにしてみれば、手紙を受け取ってもらえなかったという出来事はかなり堪えたもんだ。
 すっかり萎縮してしまったワシは、ただ店に通うだけになってしまった。
 なんかしらの奇跡が起こることを大いに期待した。しかし、自分が動かずして奇跡など起こるはずもない。
 時は待つということはしてくれず、ついに沙夜ちゃんがバイトを卒業する時期がやってきてしまったのだ。


 天使は舞って行った。


 澄んだ瞳で大空を見つめ、希望を胸に羽ばたいて行ったのだろう。

 沙夜ちゃんもここ数ヵ月のうちに二十歳になり、これからますます大人の女性として輝き続けるのだ。
 人生これから。
 そのなかで、「バイトしていたファミレスにそんな客がいたな〜」くらいでもいいから、ワシのことを記憶にとどめておいてくれたら、すごくうれしい。

 そして、どこかでバッタリ会うというかなり低い確率の奇跡にも巡り合えたらと期待している。


 沙夜ちゃん、2年間の青春をありがとう。

 この物語は、一生忘れないよ。

 そして、さよなら…。


 ここ数ヵ月は、あんな感じで更新が鈍ってしまいましたが、それでもちょこちょこのぞきに来てくださった皆さん、ありがとうございました。
 こんなサイトではありましたが、ヘビーな読者がいることを知ってうれしく思いました。

 リアルタイムの恋愛ストーリーって、面白いですよね。
 またこんな機会に巡り合えたら、リアルタイムなストーリーとして書き記したいと思います。

 最後になりましたが、「大沼ファンクラブ」をヘビーに読んでくださった方々、少しでも気にしてくださった方々、全ての皆さんに感謝します。
 ありがとうございました。


 恋愛に関しては、次なるステージが始まっております。また書くかもしれませんが、その際は以前と変わらぬ応援をよろしくお願いします。

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