11月3日(水祝日)
16:00発、自転車でグレートホステスへ。
遠くから店内を見てみる。レジに立っておられる髪の毛の結び目の小さな店員さんは…沙夜ちゃん!駐輪場を見てみると、見たことのない青い自転車に人気キャラ「マヨ次郎」のベルがついている。どうやら自転車を替えたらしい。それでもマヨ次郎のベルはつけ続けるとは、よっぽど好きなんだろう。
店内を見てみると若木さんもいる。レジ付近に立っている沙夜ちゃんはワシに気づいた。
さあ、沙夜ちゃんに案内してもらおうと店に入る。ところが、沙夜ちゃんがレジから消えている。アレッと思って探してみると、ほかの客の注文取り。こういうことって多いんだよな。直前までレジにいたのに、ワシが入るとほかに行ってしまう。ワザとではないだろうから仕方ないけども。
代わりに久しぶりの若木さんが出てきてワシを案内しようとする。
「お一人ですか?禁煙席…」
おいおい、若木さんならワシが禁煙席か喫煙席か聞かなくても分かるでしょ!
「…でよろしいですか」
やっぱ分かっておられた。
注文を取りに来てくれたのは沙夜ちゃん。声かけられるはずもなく。
ワシの注文を取り、キッチンへ戻る。中にいた若木さんとなにやら一言話す。すると、キッチンのガラスの向こうからワシの事を笑顔で見た!!やっほーぃ!!若木さんは沙夜ちゃんとワシのことを話してくれる人なのだ。また何か言ってくれたのだろう。
注文の品を持ってきてくれたのも沙夜ちゃん。声かけられず。
食べ終わってボーっとしている。すると沙夜ちゃんがワシのほうに向かってゆっくり歩いてきた。お皿をさげるような様子でもない。何だ〜?
ワシは発作を必死でこらえる。沙夜ちゃんはワシの席の少し手前で体を斜め45度転換。隣の席の皿をさげてキッチンへ行った。
あの意味ありげな近寄り方はなんだろう。なんでもない確率85パーセント。
今日もたくさんのチャンスがありながら声がかけられなかった。しかし、それ以上に気になることがある。
店長とかなり仲がいい。
世話になってる店長だから、愛想悪く接することはしないだろう。にしても、なんか雰囲気が良すぎるんだよな。沙夜ちゃんがドリンクバーの氷を補充しているとき、店長が後ろを通ったのだが、沙夜ちゃんはわざわざ振り向いて笑顔。必要ないじゃん、氷の補充中は。
一緒に席の片づけをしてるときもなにやらお話で盛り上がっていた。仕事と関係ある話なのかどうかは聞こえなかったが。
そして沙夜ちゃんはグラスにジュースを入れて、それを持って控え室に入っていった。上がりだろう。ワシも店を出た。
「店長邪魔よ店長邪魔よ店長邪魔よ店長邪魔よ」
呪いの言葉のように何度も唱えながら、すっかり暗くなったこの町を自転車で後にした。