5月29日(土)

 車でグレートホステスへ。沙夜ちゃんの自転車はない。店内が見渡せる場所に車を止めてじっと待っていた。
 しかし、どうも若木由美子さんしかいない様子。今日もいないとなるといよいよまずい。だからこの日はいつもより気長に待つことにした。なんせ、自転車がなくてもいたことだってあるから。
 ずっと見てる。現在のウエイトレスさんは若木由美子さん一人。やはりいないのか…?
 すると、ドリンクバーのところに一瞬だけ二人目のウエイトレスさんの姿が見えた。髪の結わき方が沙夜ちゃんに似ていた。若木由美子さん以外にも一人いるわけだ。それはだれだ!
 しばらくすると、それが沙夜ちゃんだということがわかった!!実に30分近く車内で待っての発見である。
 車から降りて店内へ。レジのところに沙夜ちゃんがいるからご案内もしてくれるだろう。ドアを開けて入ると、ご案内は店長。沙夜ちゃんはワシが入る直前にほかのオバチャン客に呼ばれて、味がどうのこうのと言われて苦笑いしていた。
 今日こそは話しかける。そのためには注文を沙夜ちゃんにとってもらわなければならない。しかし入店からすぐにまた沙夜ちゃんの姿が見えなくなる。
 やがて若乃花店長が注文を取りに来てしまった。ダメじゃん…。
 注文の品も若乃花店長が持ってきた。しかしセルフサービスであるはずのお冷を、まだ持って来てなかったワシに対して持ってきてくれた。セルフのコーナーからではなく、特殊な水差しでついでいた。VIP対応か?
 若乃花店長に感謝しようとしたが、その後すぐにそんな気持ちはすっ飛ぶ。今日の沙夜ちゃん、若乃花とやたらにしゃべる。しかもキッチンでしゃべっているのが遠方のワシの席まで聞こえるくらいの大きな声で。楽しそうだ…。
 そして食器を沙夜ちゃんがさげに来た。さっと持って行ってしまったので、これでは声がかけられない。しかもだ。「おさげしてよろしいですか」の声がメチャクチャ小さかった。若乃花と話しているときの声、および最初のころのワシに対する声と比較するととてつもなく小さな声だった。これはいったい…。
 やがて、若木由美子さんが私服に着替えてバイト上がり。ワシの前を通ったとき、チラリとワシを見た。「例の沙夜さんの人」として見ているのか?
 沙夜ちゃんとは何もないまま店を出る時間。最後まで何もなく今日は終わった。
 同じ「何もない」でも、いままでとは何か様子が違う。ワシへの意識がまったく感じられない。
 ゴールデンウィーク中に何かあったのだろうか…。

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