5月5日(水)

 ゴールデンウィーク最終日。どうやら沙夜ちゃんはバイト三昧ではなかったようだ。進路のことか、部活のことか、いろいろ忙しいのだろう。
 車でグレートホステスへ。車中から店内が見られるところに車を止める。するとどうだろう、亀島さんと若木由美子さんが車中のワシを見ながらなにやら話している。お店のガラスと車のガラスとで2枚のガラスを隔てているというのにワシが見えるのか?そして何を話してる?降りるに降りられないぜこりゃ。
 駐輪場には人気キャラ「マヨ次郎」の自転車が。沙夜ちゃんがいるようだ。店に入った。
 案内と注文取りは若木由美子さん。沙夜ちゃんはいつものように忙しそうに働いておられる。
 若木由美子さんがワシの食事の用意をする。それを後ろから見ている沙夜ちゃん。「私がやりたかったのに〜」と思っているのでありますようにと思ったが、沙夜ちゃんの視線の先には、これからグレートホステスに入ろうとするお客さんの姿があった。ワシを見てたのではなく、その後ろの客を見ていたらしい…。残念。
 普通に食べて、普通に座って見ていた。沙夜ちゃんが小さな紙切れを店長に渡し、ペコリと頭を下げて控え室に入っていった。もう上がってしまうのか?そんなふうに見えた。
 ワシ、トイレへ行く。トイレには何時にだれがトイレの清掃状況をチェックしたかがカードに書いてある。「12:00大塚」とあった。お疲れ様です。
 沙夜ちゃんが姿を見せなくなってから30分。お仕事再開。休憩だったらしい。
 タイムリミットの1時間半が来た。席を立ち、店長にレジをしてもらう。沙夜ちゃんはレジの後ろのキッチンで作業中。ワシのことなど見もしない。
 店を出る。いつものような窓際に立つ沙夜ちゃんの姿もない。むなしさとともにグレートホステス駐車場から車を発進させた。
 …初めて何もなかった。
 あまりのショックに、帰って3時間寝込んだ。
 もう、何かが起こるということはないのだろう。自分から起こさなければいけないのだ。
 次に行ったときは、いよいよ沙夜ちゃんに話しかけてみようと思う。注文をとってもらい、フォーク類を並べてもらっているそのときがチャンスだ。
 テーブルの所にいる時間の長さ、雰囲気からしてそのときが一番いいのだ。そう決意した今日この頃だった。

次のページへ

INDEXへ